肉用牛環境対応生産拡大基盤技術普及事業

肉用牛環境対応収益性向上管理技術普及事業

JRA日本中央競馬会 特別振興資金助成事業

飼養管理マニュアル

はじめに


飼料をはじめとする生産資材の価格が高騰する中、肉用牛生産にも環境との調和や快適性の配慮した飼養管理、飼養管理のスマート化がいわれています。

生産コストを下げるむだのない生産性の高い飼養管理は、環境負荷の軽減やアニマルウエルフェアにも通じる取組みです。

このマニュアルでは、最も一般的な黒毛和種の舎飼いを中心に、日本飼養標準肉用牛(2022版)やアニマルウエルフェアに関する国の「肉用牛の飼養管理に関する技術的指針」(令和5年7月)も参考にしながら飼養管理のポイントを整理しています。


令和7年3月
(一社)全国肉用牛振興基金協会





■ 飼養管理と温室効果ガス削減との関係

令和5年3月
持続的肉用牛生産関連情報発信事業
オンンライン情報交換会
元東北大大学院教授寺田先生の講演から


国連食糧農業機関(FAO)は、畜産関連の温室効果ガスの発生が2050年までに5割増加すると予想される中、飼養管理や改良などなど今取り組んでいる技術を高めることで大幅な削減が可能としている。
また、これらの取組み様々な温室効果ガス削減の取組みの中でも生産コストの削減する取組とされている。




■ 国の「肉用牛の飼養管理に関する技術的な指針」の概要


令和5年7月 農林水産省畜産局から

第1 管理方法

【実施が推奨される事項】

  • 除角と去勢を行う際は、獣医師等の指導の下、可能な限り苦痛を生じさせない時期と方法を選択することとし、
    ・除角は角が未発達な時期(生後2か月以内)に実施し、それ以降は常に麻酔薬等を使用。
    ・去勢は生後3か月以内に実施し、それ以降は必要と判断された場合は麻酔薬等を使用。
  • 蹄の働きを正常に保ち、蹄病を予防するため、定期的に削蹄する。
  • 鼻環の装置後は過度に捻る等不適切な使用はしない。
  • 未経産牛は成熟するまで繁殖に供しない。
  • 分娩牛には、床が平面で乾燥した分娩区域を提供する。

第2 栄養

【実施が推奨される事項】

  • 質及び量ともにその生理学的要求を満たす飼料及び水を毎日過不足なく給与し、ボディコンディションスコアの許容範囲を逸脱しないよう管理する。
  • 脂肪交雑を高めるため、ビタミンAの給与量を制御する場合、「日本飼養標準」等を参照し、栄養の適切な給与に注意する。
  • 給餌及び給水の設備は、清掃が容易な構造とし、定期的に点検や清掃を行う等、適切に維持する。

第3 牛舎

【実施が推奨される事項】

  • 繋ぎ飼い方式で飼われている牛は、繋がれていない状態で運動が十分にできるようにする。
  • 放し飼い方式では、牛同士の闘争や競合による損傷が発生する可能性があるため、よく観察するとともに、飼養密度や牛群の編成に注意する。
  • 追い込み柵、牛房等は、牛の損傷を予防するため、鋭利な角や突起がないよう設計し、管理する。

第4 牛舎の環境

【実施が推奨される事項】

  • 気温が高い場合は、大型扇風機による送風、屋根への散水等の暑熱対策を講じる。
  • 喚起システムは、牛舎全体に常に新鮮な空気を供給できるように設計する。

第5 アニマルウェルフェア

【実施が推奨される事項】

  • 災害による影響を可能な限り小さく抑えるため、危機管理マニュアル等の整備する。

第6 肉用牛のアニマルウェルフェアの測定指標

  • アニマルウェルフェア上の問題が生じている場合に見られる特定の行動等を測定指標として列挙。

発育のよい事故の少ない管理方法をいろいろと試していたらアニマルウエルフェアに沿った管理方法になったとの話も聞かれている。アニマルウエルフェアの向上は生産性向上、コスト削減の取組みでもある。